活動レポート
塚越慎子さん クラスコンサート
マリンバ奏者・塚越慎子さんクラスコンサート
2023年9月20日
酒田市立黒森小学校
マリンバ奏者の塚越慎子さんとピアニストの武本和大さんが酒田市内の小学校4校を訪問し、クラスコンサートを行いました。今回は黒森小学校での様子をレポートします。
児童からの大きな拍手の中、最初に武本さんが登場。ピアノによる躍動感ある伴奏が始まると、どこかからシロフォンの音が……!教室の影に控えていた塚越さんが、マーチングシロフォンでハチャトゥリアンの「剣の舞」を演奏しながらの登場に児童たちは驚きの表情。
塚越さんと武本さんによる迫力満点の演奏に、児童たちは圧倒されていました。

演奏の後は、今聴いたシロフォン(一般的な木琴)とマリンバの違いについて、問いかけを交えながらお話します。
マリンバは、5オクターブの音域を持ち、低い音を響かせるため鍵盤の下に大きな共鳴管がついているのが特徴です。
「ぜひ、マリンバの深い響きを感じてください」と演奏するのはサン=サーンスの「白鳥」。
マリンバとピアノによる伸びやかで美しい演奏に、教室内はゆったりとした優雅な雰囲気に包まれました。

次に伴奏の武本さんが専門としている「ジャズ」についてのお話です。塚越さんが「ジャズって言葉聞いたことある?」と問いかけると、ちらほらと手が挙がります。クラシック音楽とジャズとの違いについての説明ののち、「黒森小学校 校歌」ジャズアレンジが演奏されました。馴染み深い校歌がジャズ特有のリズムとアレンジによってガラリと雰囲気を変える様に、児童たちからは大きな拍手が上がりました。実は武本さん、今回訪問した小学校すべての校歌をジャズアレンジしていました。
塚越さん「同じメロディでも和音やリズムを変えると、曲の雰囲気が変わるよね。それをもっと体験してみてください。」と次に演奏したのは童謡「うさぎとかめ」です。
その後、さらにA、B、Cの3パターンの「うさぎとかめ」が披露されます。Aは3拍子の明るい曲調、Bは同じ3拍子でも落ち着いた雰囲気の曲調、Cは裏打ちのリズムと派手なアレンジが特徴のジャズ風と、それぞれ全く表情が異なります。
児童たちに好きなアレンジを一つ選んでもらった後、それぞれのアレンジの好きなところを塚越さんが問いかけると、「Aはポップで元気な感じ」「Cは迫力があった!」と次々声が上がります。
またBのアレンジについて「Bを聞いてどう思った?明るい感じ?寂しい感じ?」と塚越さんが再び問いかけると、それぞれに手が挙がりました。
「同じ曲を聴いて意見が分かれるところが音楽の面白いところ。自分が感じたことは自分の中で大切にしてほしい。」と塚越さんはお話しします。
続いてもっとリズムを楽しみたい!と塚越さんが手にしたのは新聞紙。
打楽器のように、打ったり振ったりして音が出るものはなんでも楽器になる、と話します。どうやったら音がでると思う?と児童たちに問いかけながら、塚越さんは「うさぎとかめ」の伴奏に合わせて新聞紙を裂いたり丸めたりして音を出し、新聞紙を見事に楽器に変身させました。
塚越さんに続き児童一人ひとりも先ほど選んだうさぎとかめのアレンジに合わせて新聞紙を使って演奏します。最初は不安そうにしていた児童たちも、「ピアノの音をよく聴いて」という塚越さんのアドバイスを基に、武本さんの伴奏に合わせて新聞紙をたたいたり破いてみたり、楽しそうに演奏していました。

最後に、マリンバをはじめとする鍵盤打楽器を演奏する際に使用するマレット(バチ)についてのお話です。マレットの先の丸い芯に糸を巻いたり、芯の材質を変えることで音の雰囲気が変わるという説明ののち、演奏するのはモンティ作曲「チャルダッシュ」です。緩急あるメロディを繰り返す中、様々な種類のマレットを巧みに操りながらの圧巻の演奏に、児童たちはすっかり聞き入っていました。

コンサート後には「マリンバとピアノの音が合わさってとてもきれいだった」「新聞紙で演奏して楽しかった」など多くの感想が寄せられました。
マリンバとピアノの演奏を間近で堪能する貴重な機会となったのはもちろん、音楽を聴いて想像したり、伴奏に合わせて演奏してみたりと、音楽の魅力がぎゅっと詰まったひと時となりました。