酒田市民会館 希望ホール KIBOU HALL

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活動レポート

中村蓉 コンテンポラリーダンスワークショップ

2021年9月24日(金)
山形県立酒田特別支援学校


振付家、ダンサーの中村蓉さんが、酒田特別支援学校を訪問し行ったコンテンポラリーダンスワークショップ。生徒の皆さん、教職員の皆さんが実際にふれて体験することでダンスの魅力や面白さを実感するイベントでした。

国内で活躍を続ける振付家、ダンサーの中村さんを講師にお迎えして、初めて酒田特別支援学校でアウトリーチを実施しました。中村さんは全国の公共ホールはもちろん、学校や障がい者へ向けてのワークショップ経験も豊富な方で、また2月の希望ホールでの公演に向けて、アーティストが一定期間市内に滞在し、地域との交流を通じてアートの魅力を届ける事業『アーティスト・イン・レジデンス』の一環として実施しました。


1コマ目は、聴覚小学部4名・聴覚中学部1名の生徒の皆さんが参加しました。中村さんとアシスタントダンサー田花さんが手話通訳無しで、マウスシールドを使用し、口話、声、ジェスチャーで生徒の皆さんとコミュニケーションを取ることができました。最初の表現は、プロジェクターに映した画像を見て、その物になりきり形を体で表すというもの。丸いリンゴ、かじられたリンゴ、向かれたバナナなどの画像が映し出されると、すぐに生徒の皆さんがそれぞれ体全体を使って、思い思いに自由に表現していきました。

コンテンポラリーダンスワークショップの画像

続いて、全員で輪になってジェスチャーを伝言するもの。隣の人のジェスチャーの特徴を熱心に観察し、次の人に伝えようと試行錯誤しながら表現していました。最初は恥ずかしそうにしていて動けなかった生徒も、講師からの声掛けですぐに体が動きはじめ、最後には表現することを楽しむようになっていました。輪になった生徒・講師・教職員の皆さん全員が、お互いの表現に刺激を受け、その多様性を認め合い、表現の幅が広がっていった。

続いて「イスになってみる」。イス一脚の形、または二脚を重ねなり倒したりして組み合わせた形を、体だけで表現するというもの。イスを表現するということがまず新鮮で、生徒の皆さんは驚いていたが、その驚き自体を楽しみながら、講師と共に積極的に試行錯誤しながら表現していました。

コンテンポラリーダンスワークショップの画像

2コマ目は知的障害中等部の皆さん20名が参加しました。最初は画像・写真を見て、それをイメージした音楽と共に体で表現するというもの。講師の多彩でダイナミックな表現に刺激を受けた生徒の皆さんは、早いテンポで変わる画像・写真に合わせて自由に大胆に体全体で表現するとともに、お互いを見合って誰の模写が一番良いかなど話し合い、褒め合っていました。最後は講師の躍動感あふれる振付を生徒・教職員が覚え、全員でダンスを踊り終了。その後も、生徒が講師に積極的にダンスでコミュニケーションをとる姿が見られました。

3コマ目は知的障害高等部の皆さん34名が参加しました。養護施設等でのワークショップ経験を有する、市民アシスタントダンサーが講師として参加してくださり、講師3名での実施となりました。初めは動きが固かった生徒も、講師それぞれから明るく声をかけられると徐々に動き始め、あとは反応良く自由に動けるようになりました。講師が3名になったことで、それぞれの生徒の個性に合わせた丁寧できめ細やかな対応ができたと感じられました。

コンテンポラリーダンスワークショップの画像

最後に全員で踊ったダンスでは、生徒の皆さんの表情に自信と喜びがあふれ、体育館全体がダンスの魅力とエネルギーで満たされました。ダンスが終わると、割れんばかりの拍手が体育館を包み込みました。

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