活動レポート
地域ワンコインコンサートvol.5~喜名雅(テューバ)
八幡タウンセンター 交流ホール
2023年6月11日
6月4日から酒田市に滞在し、市内小学校5校でクラスコンサートを行った、喜名雅さんと新居由佳梨さんが、八幡タウンセンターで地域ワンコインコンサートを行いました。
八幡タウンセンターは八幡地区の中心部にあり、交流ホールは地域の皆さんの文化活動・生涯学習活動の発表などに、幅広く利用されている施設です。
当日のホールには、お二人の公演を待ちわびる約120人のお客様がいらっしゃいました。
二人の演奏を求めて、小学校クラスコンサートで訪問した学校の子どもたちや市内の吹奏楽部の生徒や先生、市外からもお客様がいらっしゃいました。
大きな拍手に迎えられステージに現れた、喜名さんと新居さん。
最初は、クラスコンサートでも演奏されたエルガーの「愛の挨拶」。優雅なテューバの旋律とそれを彩るピアノの可憐な響きが、観客の心を掴みます。
演奏後、喜名さんはテューバについて語り始めます。
テューバは、息を流しながら唇を震わせることによって、音を出しています。音を区切るときは舌を使って息の流れを区切ります。この奏法をタンギングといいます。
次は、このタンギングを駆使したモンティの「チャルダッシュ」です。喜名さんの流れるような素早い指使いに観客は釘付け。まるで、音の一つ一つが踊っているかのようです。
続いては、喜名さんによるソロ、クラフトの「エンカウンターズⅡ」です。音量やテンポの変化、重音(吹きながら声も出す)、ハーフバルブといった特殊奏法が登場し、テューバの魅力をふんだんに堪能できる楽曲です。
まるで、未知の世界に踏み込んだような緊張がはしります。
次は、新居さんによるソロで、バレエ音楽の名曲、チャイコフスキー作曲の「花のワルツ」です。
もともとはオーケストラのために書かれた楽曲を、新居さんによる「ひとりオーケストラ」でお送りします。まるで花々が舞っているかのような、華やかな音色が会場を包み込みます。
喜名さんが再び登場し、「この1週間は新居さんと一緒に、市内の小学校を回って、子どもたちに楽器のお話をしたり、どうやったら音楽を楽しく聴くことができるかなどを伝える活動をしました。このような活動ができる酒田市は素敵だなと思いました」と語りました。
「どこの小学校の子どもたちも素敵でした。反応がとてもピュアで、思ったことをたくさん伝えてくれました」と、新居さん。
コンサートのラストを締めくくるのは、R.V.ウィリアムズ作曲の「テューバ協奏曲」です。
3つの楽章から成り、第1楽章は日本民謡にもよく見られる五音音階が用いられており、どことなく懐かしい空気が漂います。第2楽章は雰囲気が変わり、緩やかに川が流れるかのような美しい旋律を、喜名さんのテューバが奏でます。そして第3楽章に入ると一気にテンポが上がり、怒涛の勢いで、終わりに向かって進んでいきます。
次々と場面が転換していく演奏に、観客が引き込まれます。
演奏を終えると、大きな拍手がお二人に送られました。
コンサート後には、
「手やあごの動きがすごかったです。私も演奏してみたいと思いました」
「吹奏楽をやっていますが、音楽をより好きになりました」
「気軽に来られて、しかも500円。とても楽しい時間でした」
「演奏を初めて見聞きして大変びっくりしました。面白かったです」
などの声が寄せられました。
【プログラム】
○エルガー:愛の挨拶
○モンティ:チャルダッシュ
○クラフト:エンカウンターズⅡ(テューバソロ)
○チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」より 花のワルツ(ピアノソロ)
○R.V.ウィリアムズ:テューバ協奏曲(全楽章)