活動レポート
礒 絵里子さん クラスコンサート
2023.11.7
亀ケ崎小学校 5年2組
11月6日(月)から10日(金)にかけて、酒田市内6つの小学校の5年生を対象に、小学校クラスコンサートが行われました。
今年4組目のアーティストは、ヴァイオリニストの礒絵里子さんと、ピアニストの田村緑さん。今回は、7日(火)亀ケ崎小学校5年2組でのクラスコンサートの様子をお伝えします。
子どもたちの大きな拍手で迎えられた礒さんと田村さん。ご挨拶代わりの1曲として披露されたのはエルガー作曲「愛の挨拶」です。演奏後「この曲聴いたことある、という人はいますか?」という礒さんの問いかけに、ほとんどの児童が手を挙げます。ここ亀ケ崎小学校では、掃除の時間に日替わりで流れる曲の1つに「愛の挨拶」が使用されているそう。子どもたちにもなじみのある曲でしたが、曲名を知っている児童は少ない様子。作曲者エルガーが婚約者へ送った曲というエピソードを紹介しながら「メロディと一緒に、ぜひ曲名も一緒に覚えてくれると嬉しいです」と児童に語りかけます。
ここでヴァイオリン講座が始まります。名前は知っていても、実際に見たことや触ったことがある児童はまだまだ少ない様子。ヴァイオリンは薄い木の板を貼り合わせてできていること、弓は約180本の馬のしっぽの毛が使用されていること、ギターのように指板にフレット(仕切り)がないので音程を間違わずに弦を押さえられるようになるまで繰り返し練習が必要なことや、ヴァイオリンは人間の子どもや女性の声に近く、人間の声でできることは大抵表現できると言われていることなどを話すと、子どもたちは興味深そうに聞いていました。
次の曲はディニク作曲の「ひばり」。まるで本物のひばりがさえずりながら楽しそうに飛び回っているようなヴァイオリンの音色が音楽室に響きます。
続いてはモーツァルト「ヴァイオリン・ソナタ第21番ホ短調K.304」。礒さんは「モーツァルトがパリに滞在していた時に、同行していたお母さんが亡くなった哀しみが物悲しい旋律に現れているのではないか」と話します。また「途中でメロディが明るくなる瞬間があります。お母さんとの楽しかった思い出などを描いているのかな?と想像したりもして、大好きな曲です」と紹介してくれました。
礒さんがお話をしていると、タンバリンのリズムが聞こえてきます。後方からタンバリンでリズムを取りながら田村さんが登場。児童たちも田村さんのリズムに手拍子を合わせます。そのリズムの正体は……「トルコ行進曲」です!この曲は田村さんのピアノと、子ども達&礒さんの手拍子隊との即席コラボレーション演奏に。スペシャルな演奏効果もあって、最後は大音量の手拍子隊。皆で奏でた「トルコ行進曲」の演奏が終わると、拍手が巻き起こりました。
お次は「ピアノのひ・み・つ」コーナー。ピアノの構造を分かりやすく抜き出したアクションカットモデルという模型を使い、音の鳴る仕組みを説明します。また、ピアノの音を響かせる響板の説明では、小さな音のオルゴールを響板上に置くとどうなるか実験。オルゴールを置いた瞬間、大きくなった音色に児童たちは「えー!?」「すごい!」と驚きの声を上げていました。
次に紹介する作曲家はサン=サーンスです。「この曲知ってる?」とお二人が演奏し始めたのは「動物の謝肉祭」の1曲、「亀」です。子どもたちは初めて聴いた反応を返しますが、「実はこの曲はみんなもよく知っている曲をゆ~っくりアレンジした曲なんだよ」と礒さん。実は原曲は運動会などでもお馴染みの「天国と地獄」。田村さんが演奏すると「あー!知ってる!」と声が上がります。「亀ケ崎小学校に来た時にたくさん亀にまつわるものがあったので演奏してみました」と、ここ亀ケ崎小学校ならではのサプライズでした。
45分の授業はあっという間です。夜中、鐘がなると死神が現れ、骸骨たちがお墓から出て着て踊りだす…すこし怖いけれど、どこかコミカルな面もあり、なおかつ様々なヴァイオリンの奏法がちりばめられた「ダンス・マカブル」が最後に演奏され、クラスコンサートは終了しました。
最後は礒さん、田村さんがびっくりする出来事が。
先生が「感想や質問はありますか」と児童に問いかけると、なんと全員が挙手。「初めてヴァイオリンを生で聴けてすごかった」「ヴァイオリンやピアノで動物の声とかを表現してすごいと思った」など全員が感想を発表し、礒さんと田村さんは、一人一人が話す感想を嬉しそうに聞いていました。
また翌週、亀ケ崎小学校の児童の皆さんから感想文が届きました。さっそく礒さん、田村さんにお送りしました。
亀ケ崎小学校の皆さん、ありがとうございました!