活動レポート
地域ワンコインコンサートvol.7~塚越慎子(マリンバ)
2023年9月23日(土)
南遊佐コミュニティセンター集会室
酒田に1週間滞在し、市内小学校でクラスコンサートを行ったマリンバ奏者の塚越慎子さんが、地域の施設でワンコインコンサートを開催しました。伴奏にはピアニストの武本和大さんを迎えました。
地域ワンコインコンサートは、一流の演奏を地域の慣れ親しんだ施設で、ワンコイン(500円)で楽しむことができる人気シリーズで、今回は7回目となります。
会場の椅子が足りなくなり、他の階から運ぶほどの大勢のお客様が詰めかけました。
大きな拍手で迎えられた塚越さんと武本さんは、間髪を入れず1曲目のモーツァルト「トルコ行進曲」へ。馴染みのある名曲が、軽やかなジャズ風にアレンジされています。
最初のMCは、プログラムについてのお話。今回はクラシックだけでなく、タンゴやジャズなど幅広いジャンルからの楽曲で編成されています。
2曲目は、サン=サーンスの「白鳥」。1曲目とはうって変わり、細かい波が立った水面の様子が浮かぶような、美しい音色を奏でます。最後の一音が消え入ると会場には大きな拍手が起りました。
演奏後、塚越さんは美味しいラーメンやお米を食べたことなど、酒田での思い出を話してくれました。
ここからは、2曲続けての演奏です。
デンバーの「カントリー・ロード」とピアソラの「リベルタンゴ」。この2曲に共通するのは、故郷への想いだと、塚越さんは語ります。
まずは「カントリー・ロード」から。武本さんのジャジーな伴奏にのせて、郷愁を感じさせるような旋律を、塚越さんがリズミックに奏でます。
続けて「リベルタンゴ」。ピアソラのタンゴへの強い想いで作られた楽曲を、2人が熱量たっぷりに演奏しました。
次は塚越さんによるソロ、アーレンの「『オズの魔法使い』より 虹の彼方に」です。最高音から最低音まで使う、マリンバの魅力を堪能できる楽曲です。繊細な出だしから、観客は一気に引き込まれます。塚越さんの色彩豊かな演奏が、物語の世界へ導きます。
そして、プログラムの最後を飾るのは、ガーシュウインの「ラプソディ・イン・ブルー」。武本さんが再びステージに登場しました。
洒脱で色気のあるリズム、どこか物憂げな旋律が魅力的な楽曲です。武本さんの繊細かつドラマティックなソロも登場し、まるで時が止まったような静寂が訪れます。全身を使ったエネルギッシュな演奏で締めくくると、この日一番の拍手が起こりました。
鳴りやまない拍手に応えて演奏するアンコールは、ジョン・レノン/ポール・マッカートニーの「Here, There and Everywhere」。
「この曲はラヴ・バラードですが、単なる恋愛だけの愛ではない気がします。色々な愛の気持ちを込めて、お別れしたいと思います。本日はありがとうございました」
と塚越さん。2人の想いがこめられた音色が、会場に優しく浸透していきます。
塚越さんと武本さんは今後、12月2日(土)希望ホールにて開催の「塚越慎子 マリンバ・リサイタル」へ出演されます。お二人の息の合った豊かな演奏を大きなホールでご堪能ください。
コンサートの詳細はこちらから
▲コンサート後に会場前でサイン会も行われました
【お客様の声】
「吹奏楽のコンテストでマリンバの演奏をするのですが、今回の演奏を聴いて、とても勉強になりました」(中学1年生)
「娘が小学校で聴いて大変感動したようで今日来ました。未就学児もOKな(プロの方の)コンサートはあまりないので、聴くことができて良かったです」(30代)
「マリンバの演奏をこんなに目の前で聴く事ができ、ありがとうございました。自分の生まれ育った南遊佐地区でコンサートがきけて嬉しかったです」(60代)
「本日は素敵なコンサートありがとうございます。心に響き染みわたりました。小さな会場なので、生な感じがじんじん伝わりました。ありがとうございます」(70代)
幼児からご高齢の方まで、幅広い年齢層の方々が来場された今回のコンサート。会場のいすが足りなくなるほどの盛況ぶりからは、12月のリサイタルへの期待の高さがうかがえました。
◇プログラム
・モーツァルト(サイ編曲):トルコ行進曲
・サン=サーンス:白鳥
・デンバー:カントリー・ロード
・ピアソラ:リベルタンゴ
・アーレン:「オズの魔法使い」より 虹の彼方に
・ガーシュウイン(植田あさ子編曲):ラプソディ・イン・ブルー
◇アンコール
・ジョン・レノン/ポール・マッカートニー:Here, There and Everywhere