酒田市民会館 希望ホール KIBOU HALL

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活動レポート

喜名雅さんクラスコンサート

鳥海小学校

6月6日(火)

大きな拍手に迎えられて登場したお二人は、まずエルガーの「愛の挨拶」を披露します。普段あまり聴く機会のないテューバの重厚な響きと、繊細なピアノの音色に子どもたちは惹き込まれていました。

挨拶がわりの演奏の後は、それぞれの楽器についてのお話です。

まずは新居さんから。問いかけを交えながら、ピアノについて説明します。ピアノの重さや、イタリアで原型が誕生したというお話に、子どもたちは興味津々です。

お話の後に新居さんが演奏したのは、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」より『行進曲』。新居さんの軽やかな演奏に、体を弾ませる子も見られました。

ピアノの部位についてのお話では、ペダルを踏むことによって、音の響きに効果をつけることができる、ピアノの特徴について説明します。

次の曲は、そんなペダルの効果を活かした、ラフマニノフの「鐘」です。迫力のある演奏に子どもたちは圧倒されていました。

喜名さんにバトンタッチし、今度はテューバについてのお話です。

「テューバは唇を振動させて音が出ます」喜名さんが実際にやってみせると、真似てみる子どもたちも。続けて、押すことによって音程を変化させるバルブについて説明します。

テューバにも様々な種類があり、今回喜名さんが持ってきたのは、比較的高い音が出るF管のテューバ。Fテューバの管の長さは約3.7mですが、もっと大きなB♭テューバは約5mにもなるそうです。喜名さんはわかりやすいように、ホースにマウスピースを取り付け、音を出したりながら説明します。

次に、喜名さんはテューバの振動をより体感してもらうために、子どもたちの席を巡回します。おっかなびっくりさわる子、ベルに思い切り頭を突っ込む子に様々です。

次に、喜名さんは音を細かく区切る奏法「タンギング」について説明。続けて、タンギングを駆使した、モンティの「チャルダッシュ」を披露します。喜名さんの超絶技巧に、子どもたちは目を丸くしていました。

さらには、テューバとピアノのそれぞれの楽器の音域についてのお話。子どもたちはどちらの方が高い音/低い音が出るのか、予想してみます。喜名さんと新居さんが実際に検証してみた結果、テューバの方がより低い音を、ピアノの方がより高い音を出せることがわかりました。

最後の曲の前に、喜名さんは自身について話します。

「実は僕、音楽が嫌いでした!!」意外な言葉に、子どもたちからは思わず声がもれます。小学校の鍵盤ハーモニカの授業で、自分だけうまく弾けなかったことに嫌気がさしていたそうです。しかし、学年が進むにつれて、リコーダーなど演奏できる楽器にどんどん出会っていき、音楽が好きになっていったそうです。

そして、小学校の部活で、テューバに出会います。メロディー楽器ではないものの、演奏全体を支えるという役割に魅力を感じ、さらに音楽にのめりこんでいったといいます。

「最初は苦手に感じるものでも、どうやったらできるようになるのか考えたり、得意な人を見て真似したりして、チャレンジしてみてください。その中で、自分が夢中になれることを見つけて、どんどん極めてみてください」と喜名さん。

最後の曲は、ヴォーン・ウィリアムズの「テューバ協奏曲」より 第1楽章。もともと、テューバとオーケストラのために書かれた曲で、オーケストラパートはピアノが担当します。子どもたちは耳を澄ましながら、この時間で学んだテューバとピアノのつくりや音域、奏法について思い返します。

クラスコンサート後には、

「テューバの振動が心までひびいて、感動しました」

「ピアノは一台で何役もできるし、すごいと思いました」

「音楽は人を笑顔にすることを知りました」

などの感想が寄せられました。

間近で音楽にふれたことは、子どもたちの記憶に残るような、特別な体験になったのではないでしょうか。

【プログラム】

○エルガー:愛の挨拶

○チャイコフスキー:くるみ割り人形より「行進曲」

○ラフマニノフ:鐘

○モンティ:チャルダッシュ

○ヴォーン・ウィリアムス:テューバ協奏曲より 第1楽章

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