酒田市民会館 希望ホール KIBOU HALL

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活動レポート

ピアノデュオ ドゥオール コンサート

2023.9.2
希望ホール 大ホール

9月2日(土)、ピアノデュオ ドゥオールによるコンサートが希望ホールで開催されました。ドゥオールのお二人は、6月に酒田市に滞在し、市内小学校へのクラスコンサートやアナリーゼ講座、地域ワンコインコンサートなどの活動を行い、今回のコンサートは酒田での活動の集大成となる公演です。

客席からの大きな拍手で迎えられた白水さん、藤井さん。この公演は「愛と希望 2台ピアノと光のコンサート」と題し、ドゥオールのお2人が希望ホールでの演奏のために構成したプログラムで演奏されました。

ステージ上のライトが2台のピアノに絞られ、奏でられるのはラフマニノフ「ロマンス」です。優しく愛に満ち溢れるロマンティックな旋律が2台のピアノによって奏でられました。

「久しぶりに酒田に戻って来られました」という藤井さんに続き、「ただいまという感じですね!」と白水さんが話すと、会場からも温かい歓迎の拍手が送られます。

続いては1台のピアノでの連弾です。「僕たちなりに考えてストーリーに合わせて曲順を並べ替えました」とグリーグ「ペール・ギュント第1.2組曲」からの抜粋で、6曲続けての演奏が始まります。

冒頭の動揺を表すかのような激しさから、嘆きのメロディへと移り変わる「イングリッドの嘆き」。藤井さんが奏でる低音で少し不穏なメロディ、白水さんの演奏が加わり宮殿での場面が展開していく「山の魔王の宮殿にて」。深い悲しみに沈むような「オーセの死」。これまでの流れとは一転して、さわやかで清々しさを感じる、ペール・ギュントがモロッコで見た朝焼けを表現した「朝」。情熱的なメロディが展開する「アニトラの踊り」。最後は哀愁漂う「ソルヴェイグの歌」。藤井さん、白水さんの4手により繰り広げられるペール・ギュントの旅に客席は聞き入っていました。

次もグリーグ作曲の中からルートハルト編曲「トロルドハウゲンの婚礼の日」。愛妻家であったグリーグのエピソードを紹介し、光や祝福に溢れるような1曲を連弾で披露しました。

前半最後は2台ピアノでショパン「幻想即興曲」。1台での演奏と2台ピアノでの演奏の比較を交えながら「編曲者は、この曲を弾く喜びを2人で共有したかったのではないでしょうか」と解説します。2台ピアノでの圧巻の演奏に客席は引き込まれていました。

休憩を挟み、第2部の1曲目は、柔らかな月明かりに照らされているかのようなドビュッシー「月の光」が2台ピアノで奏でられます。

続いては「ウエスト・サイド物語」より「シンフォニック・ダンス」。劇中の様々なシーンが移り変わるこの曲。タップやホイッスルなどを取り入れたり「マンボ」の部分では客席も「マンボー!」と振付と共に参加したり、という演出もありました。

続けて後半最後の曲ラフマニノフ「涙」が2台ピアノで演奏され、本編の演奏は終了しました。

アンコールは、2台ピアノでの可愛らしく華やかな「子犬のワルツ」、連弾で「ハンガリー舞曲第5番」と2曲続けて演奏。

2台ピアノと連弾の魅力が凝縮された全ての演奏が終わると、客席からは惜しみない拍手が送られました。

公演終了後はホワイエでサイン会を実施。お2人に感想を伝えたいとたくさんの方が詰めかけにぎわっていました。

終了後のアンケートでも、たくさんの感想をいただきました。一部を紹介します。

・小学校でのクラスコンサートでは、1台のピアノでしたが今回は2台ピアノで1台とはまた違う感じでよかった。幻想即興曲は、私も知っていて好きな曲です。2台ピアノは、普通の1台の音とは違っていたけどいい曲でした。(10代)

・「山の魔王の宮殿にて」で魔王が迫ってくるように感じた。幻想即興曲に低音が増えて、曲の重厚感が増したように思う。子犬のワルツの低音の厚みを増していたと思った。(20代)

・また、酒田に来てください。とても素晴らしい演奏でした。ピアノのデュオリサイタルというより、オーケストラの様でした。お二人の息がぴったりでした。クラシック音楽が身近に感じられました。ウエストサイドストーリーは映画のシーンを思い浮かべました。

・生のピアノデュオ初めて聴きました。感動しました。(60代)

・話が分かりやすい。オーケストラを楽しんでいるようで、ピアノの新しい世界を見ました。(70代)

【プログラム】

ラフマニノフ:組曲第2番Op.17-3「ロマンス」

グリーグ:ペール・ギュント 第1,2組曲(抜粋)

 ・イングリッドの嘆き(第2組曲 第1曲)

 ・山の魔王の宮殿にて(第1組曲 第4曲)

 ・オーセの死(第1組曲 第1曲)

 ・朝(第1組曲 第1曲)

 ・アニトラの踊り(第1組曲 第3曲)

 ・ソルヴェイグの歌(第2組曲 第4曲)

グリーグ=ルートハルト:抒情小品集 第8集 Op.65-6「トロルドハウゲンの婚礼の日」

ショパン=グルード=シェフター:幻想即興曲 Op.66

~Intermission~

ドビュッシー=デュテイユー:月の光

バーンスタイン=マスト:『ウエスト・サイド物語』より「シンフォニック・ダンス」

ラフマニノフ:組曲 第1番 幻想的絵画 Op.5より 第3曲「涙」

〇Encore

ショパン=サミュウェルソン:子犬のワルツ

ブラームス:ハンガリー舞曲第5番

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