酒田市民会館 希望ホール KIBOU HALL

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活動レポート

高橋多佳子 ピアノレッスン

2023年8月4日(金)、5日(土)
希望ホール 大ホール

ショパン国際ピアノ・コンクールの入賞歴を持つピアニスト・高橋多佳子さんを講師に迎え、受講生が直接ピアノの指導を受ける「高橋多佳子 ピアノレッスン」を実施しました。

高橋さんには、3年続けて酒田市へお越しいただき、市内小学校へのクラスコンサートやアナリーゼワークショップ、地域施設でのミニコンサートや酒田・鶴岡でのリサイタルと、数々のステージにご出演いただいています。
今回は、国内を代表するピアニストが未来のピアニストに直接レッスンを行う、令和3年度からの継続事業の様子をレポートします。

今回の受講生は、県内外から応募があった11~20歳の6名です。秋田県や岐阜県など、遠くから参加の受講生もいました。
まずは受講生が選曲してきた曲を一度演奏します。高橋さんは客席で演奏を聴き、その後にステージ上で指導が始まりました。はじめ受講生たちは緊張していましたが、高橋さんが優しく寄り添うように語りかけることによって、徐々に気持ちがほぐれていく様子が見られました。

レッスンでは、時折高橋さんが実際に弾いてお手本を見せながら、指の運び方や筋肉の使い方、作曲者の背景や人物像を想像することなど、様々な角度から指導を進めていきました。

テクニック面では、例えばペダルの使い方について、高橋さんは「耳で」踏むことが大事だと話します。ペダルの使い方には何種類もあり、踏む速度や深さを変えるなど効果的に使うことによって、演奏に奥行きをもたせる方法を伝えていました。

高橋さんが何人かの受講生に伝えていたのは、会場の広さを意識するということ。弱く弾く箇所も単に小さく弾くのではなく、それ以外の箇所とメリハリをつけてはっきり演奏することを心がけると、遠くで聴いている人に音を届けることができると、高橋さんは話していました。

テクニック以外の面では、
「ピアノには歌詞がありません。しかしその分、いろんな気持ちを人々に伝えることができます。そのような気持ちを伝えられるようになりましょう」
「弾いている時に、『ここが素敵だな!』『こうきたか!』と感じることがあると思います。毎回演奏する際には、そのような新鮮な喜びや驚きを感じるようにしてください」
と語っているのが印象的でした。
 高橋さんの言葉ひとつひとつで、受講生の演奏が伸び伸びと豊かに変化していきました。

レッスン後に受講生からは、
「高橋さんの演奏する姿を近くで見ることができたので、弾き方やペダルの入れ方など、たくさん勉強させていただきました」
「とても優しくて、何より多佳子先生が弾くピアノの演奏が真珠みたいで、きれいな透き通った音だなって思いました!」

受講生のご家族からは、
「素晴らしい先生のレッスンを素敵なホールで受講できる機会をありがとうございました。とても分かりやすく、丁寧なレッスンをありがとうございました」
「去年のだめのコンサートを家族で見てとても感動したので、娘がレッスンの機会をいただけて、とてもうれしく思います。こんなに幸せなことはないと感じています」
などの感想が寄せられました。

レッスンの現場では、プロの演奏家から直接指導してもらえることの喜びを、受講生やそのご家族からひしひしと感じました。受講生にとっては、未来につながるような自身の財産となる経験となったのではないでしょうか。

高橋多佳子さんは今後、チェリストの新倉瞳さん、ヴァイオリニストの礒絵里子さんとのトリオ「椿三重奏団」としても酒田で活動されます。
2/3には当館大ホールでの室内楽コンサート(詳細はこちら)、12/15にはコンサートのプログラムを演奏を交えながらご本人たちが解説する、アナリーゼワークショップ(詳細はこちら)を開催します。

それぞれが日本を代表するソリストとして活躍を続ける椿三重奏団による珠玉の演奏を、この機会にぜひお楽しみください。

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